暖かな春が近い。
草木花たちが動き出す時。
寒い冬の間、大地にもぐりこみ、静かにその時を待つ。
やがて小さな小さな新芽となり大地から顔を出し息を吹き返す。
なんと力強いことだろう。
新芽を見つけた瞬間、
私は命の力強さを感じ、
生きるというすべを教えてもらっている気になる。
人は草木花たちから勇気をもらうのだと思う。
山あり谷ありのこの人生。 根っこが大地の中で春を待つように、人は谷間の時、力を溜め込むのだと思う。
山に向かい高く高く飛ぶことができるように。
世の中が揺らぎ、生きにくくなり。
目に見えない不安に恐れ、どう生きれば安全なのかと身の置き場を思案して。
大きく広いこの世界で、小さな集まりであり最愛の人たちと共に懸命に生きる道を探り。
世の中の出来事。
自然界の異変。
個々の人生のいろいろ。
様々な想いが交錯して心が乱れ、それでも明日に向かい歩くことは終わらない。
そんな時、草木花たちを思う。
起こりうる出来事に負けないよう、希望を持って進めるよう。
この目で見えるもの。
この耳に聞こえてくること。
この心に響く感情。
それらを尊く思い、信じてゆくことは今に生きる生身の私たちにできる唯一のこと。
私たちになげかけられたメッセージを感じて行けるように。
大地の力を借りて根づき。 必ず花を咲かせる時が来ることを信じ。
愛する者たちと一枚岩となり今は静かに時を待とう。