芽吹きの時 2020.3.21

暖かな春が近い。
草木花たちが動き出す時。
寒い冬の間、大地にもぐりこみ、静かにその時を待つ。
やがて小さな小さな新芽となり大地から顔を出し息を吹き返す。
なんと力強いことだろう。

新芽を見つけた瞬間、
私は命の力強さを感じ、
生きるというすべを教えてもらっている気になる。
人は草木花たちから勇気をもらうのだと思う。

山あり谷ありのこの人生。  根っこが大地の中で春を待つように、人は谷間の時、力を溜め込むのだと思う。
山に向かい高く高く飛ぶことができるように。

世の中が揺らぎ、生きにくくなり。
目に見えない不安に恐れ、どう生きれば安全なのかと身の置き場を思案して。
大きく広いこの世界で、小さな集まりであり最愛の人たちと共に懸命に生きる道を探り。

世の中の出来事。
自然界の異変。
個々の人生のいろいろ。

様々な想いが交錯して心が乱れ、それでも明日に向かい歩くことは終わらない。
そんな時、草木花たちを思う。
起こりうる出来事に負けないよう、希望を持って進めるよう。

この目で見えるもの。
この耳に聞こえてくること。
この心に響く感情。

それらを尊く思い、信じてゆくことは今に生きる生身の私たちにできる唯一のこと。
私たちになげかけられたメッセージを感じて行けるように。

大地の力を借りて根づき。  必ず花を咲かせる時が来ることを信じ。
愛する者たちと一枚岩となり今は静かに時を待とう。